症例: 30代女性。数ヶ月ずっとだるい。朝起きられない、食欲不振、冷え、生理が遅れ経血薄い。舌は淡胖・白苔、脈は沈細弱。梅雨時に特に悪化。
症例表記について: 本ページは、東洋医学の理論体系を比較するために構成した教育用モデルです。記載する証・処方・経穴・治法は古典理論上の検討例であり、特定の患者に対する推奨、治療効果、因果関係を示すものではありません。
現代医学的な評価を先行してください。 実際の症状には、東洋医学的整理だけでは判断できない疾患が含まれます。急な発症、強い症状、意識・運動・感覚の異常、発熱、胸痛、呼吸困難、症状の持続・悪化がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
① 一般の弁証論治なら
証:気血両虚(脾胃虚弱)。十全大補湯/補中益気湯。配穴:足三里・気海・脾兪。正しいが「なぜ梅雨に悪化するか」を補気だけでは説明できない。
② MLMN 9層へ配置すると
| L1 先天 | 脾胃虚弱の素地(生まれつき湿に弱い) |
|---|---|
| L3 臓腑 | 脾(運化)と腎(生理・冷え)の両虚 |
| L4 気血津液 | 気血両虚に加え、脾虚で湿が内生 |
| L8 環境 | 高湿度・気温・居住や労働環境への曝露を、外湿の入力条件として記録する |
| L9 時間相 | 梅雨という季節相、数ヶ月の慢性経過、生理周期に連動する波、湿度が下がった後の可逆性 |
③ MLMN上の比較仮説
湿がある状態で滋補薬を入れるとかえって湿を助長(虚不受補)。治療順は まず化湿・醒脾→湿が捌けてから補う。同じ「気血両虚」でも"補う前に湿を捌く"一手が入るかで結果が変わる。
湿度・気温などの環境(L8)と、梅雨・周期・慢性経過という時間相(L9)を分けると、「何が作用し」「いつ悪化するか」を混同しない。